購買ボキャブラリー|DBRとTOC

前工程だけ急いで作っても、次の工程に品物がたまるばかり。こうした状況を、全体の流れから考えるのがTOCとDBRです。

TOCとは「制約に着目して、全体を良くする」考え方

TOCはTheory of Constraints、制約理論です。全体の成果を制限する制約を見つけ、その制約を中心に改善します。制約は設備だけとは限らず、市場の需要や運用ルールなどが関わる場合もあります。

20個・10個・20個の工程なら?

加工Aが20個/時、検査Bが10個/時、仕上げCが20個/時とします。十分な需要・材料があり、同じ製品が全工程を通り、歩留まりの損失がないと仮定した例です。

この例では、全体の処理能力の上限は10個/時。Bが制約だからです。Aを30個/時にしても、Bが10個/時のままなら全体の上限は増えません。Aから20個/時を投入し続けると、Bの手前には毎時10個ずつ仕掛品が増えます。

最初の完成品が出るまでの時間や、実際の停止・ばらつきもあるため、「いつでも必ず毎時10個完成する」という意味ではありません。

DBRは、制約を中心に流れを整える方法

DBRはDrum・Buffer・Ropeの略。ここでは工場内の工程Bが制約となる基本的な例で説明します。

言葉 役割 例
Drum:ドラム 制約工程の計画が全体のペースを決める Bの処理能力と順番に合わせて生産を計画する
Buffer:バッファ ばらつきから制約や納期を守る余裕 材料が遅れてBが手待ちにならないよう時間の余裕を設ける
Rope:ロープ 制約の計画に結びつけて投入を調整する Aへ必要以上に早く、多く材料を投入しない

ロープは実際の縄ではなく、投入時期や量を結びつける仕組みの比喩です。バッファも、単に「在庫を多く積めばよい」という意味ではありません。DBRでは時間の余裕として設計する考え方が重要です。

TOCの改善は5つのステップ

  1. 制約を見つける。
  2. 制約を活用する。手待ちや不要な停止を減らす。
  3. 他を制約に合わせる。投入や優先順位をそろえる。
  4. 制約の能力を高める。必要なら増員・設備投資などを検討する。
  5. 制約が変わったら、再び見直す。以前のルールに固執しない。

初めから設備を増やすのではなく、まず今ある制約の能力を活かせているか確認するのがポイントです。

覚え方は「太鼓で合わせ、余裕で守り、ロープで投入」

D=ペース、B=守る余裕、R=投入調整。TOCは「全体を止めるところから考える」、DBRは「その制約に合わせて流す」とつなげると整理できます。

購買の仕事とのつながり

安くまとめ買いしても、使う前に材料が山積みになれば保管や資金の負担が増えます。一方、制約工程に必要な材料が欠ければ、全体の成果に影響します。購買では単価だけでなく、必要なタイミング、調達リードタイム、供給のばらつきを確認したいところです。

学習で間違えやすいポイント

  • 全工程を最大稼働させても、全体の成果が最大になるとは限らない。
  • 非制約工程の能力向上だけでは、全体の能力が増えない場合がある。
  • TOCという考え方と、DBRという生産の流れを管理する方法は同じ言葉ではない。

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参考資料

例と覚え方は理解のためのオリジナルです。CPP学習で用語を整理する際は、使用中の公式教材の表記・条件と照らし合わせてください。

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