正味所要量は、必要な部品の総数から、使える在庫と必要時期までに届く分を差し引いた「追加で手配すべき数量」です。 製品100台に部品が1台3個必要でも、部品を300個すべて新しく買うとは限りません。
総所要量と正味所要量の違い
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 総所要量 | 在庫や入荷予定を差し引く前の、必要な数量 |
| 正味所要量 | 在庫や入荷予定を考慮した、追加で必要な数量 |
まず「全部でいくつ使うか」を求め、次に「そのうち、まだ足りない分」を求めます。
100台作るとき、追加で必要なのは180個
条件は、製品100台、1台につき部品3個、使用可能在庫80個、必要時期までの入荷予定40個。安全在庫は設けないものとします。
1. 総所要量を計算:100台×3個/台=300個。
2. 使用可能在庫を差し引く:300−80=220個。
3. 間に合って届く分も差し引く:220−40=180個。
在庫80個と入荷40個で120個を確保できるため、残り180個を追加手配します。300個という答えは「全部で使う数」であり、「追加手配する数」ではありません。220個では、入荷予定40個の考慮が抜けています。
在庫・入荷予定・安全在庫は、どう扱う?
| 項目 | 意味 | 計算での扱い |
|---|---|---|
| 使用可能在庫 | 今回の需要に充てられる在庫 | 必要数量から差し引く。不良品や他の注文に引当済みの分は含めない |
| 入荷予定 | すでに手配され、今後受け入れる予定の数量 | 必要時期までに使用可能になる分を差し引く |
| 安全在庫 | 需要増や入荷遅れに備えて残しておく在庫 | 残すための不足分も手配対象にする |
安全在庫を含む簡単な計算では、正味所要量=max(0、総所要量+安全在庫−使用可能在庫−入荷予定)と表せます。ここでの使用可能在庫は、安全在庫をまだ差し引いていない数量です。
先ほどの条件で20個を安全在庫として残すなら、300+20−80−40=200個。ただし、問題やシステムが「使用可能在庫」を安全在庫控除後の数量として示す場合は、さらに安全在庫を加えると二重計上になります。数量の定義を確認しましょう。
MRPは「いくつ」だけでなく「いつ」も考える
MRP(資材所要量計画)は、生産計画と部品表をもとに、必要な部品の数量と時期を計画する仕組みです。在庫、入荷予定、調達・製造のリードタイムなどを考慮します。
たとえば金曜日に必要な部品なら、翌週月曜日の入荷は、その金曜日の不足を埋める数量にはできません。入荷後の検査に時間がかかる場合も、使用可能になる日を確認する必要があります。
また、正味所要量と実際の発注量は、必ずしも一致しません。 不足が180個でも、発注単位が100個なら200個発注する場合があります。
覚え方
「全部必要な数−ある分−間に合って届く分」。まず安全在庫なしの基本形を覚え、安全在庫を残す条件があれば、その分も考えます。
押さえておきたいポイント
• 総所要量は、在庫を差し引く前の必要数。
• 正味所要量は、使える在庫と間に合う入荷を考慮した不足数。
• 安全在庫は二重計上しない。MRPでは数量と必要時期を確認する。
• ロット条件によって、発注量は正味所要量より多くなることがある。
4択確認問題
製品60台を作ります。部品は1台につき4個、使用可能在庫50個、必要時期までの入荷予定30個です。安全在庫なしの場合、正味所要量はいくつでしょうか。
A. 240個 B. 190個 C. 160個 D. 80個
答え:C。 総所要量は60×4=240個。240−50−30=160個です。Aは総所要量、Bは入荷予定の差し引き漏れ、Dは確保済みの数量です。
※学習用に作成したオリジナル問題です。
参考資料
• Oracle「Gross to Net Explosion Example」:https://docs.oracle.com/cd/A60725_05/html/comnls/us/mrp/explex.htm
• Oracle「Material and Distribution Requirements Planning」:https://docs.oracle.com/cd/A60725_05/html/comnls/us/mrp/mrsmrp.htm
• Oracle「Glossary」:https://docs.oracle.com/cd/A60725_05/html/comnls/us/mrp/gls.htm

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