転職後に住宅購入を考えると、「勤続年数が短いと住宅ローンに通らないのでは」と不安になります。
結論から言えば、転職後でも住宅ローンへ申し込むことはできます。ただし、審査基準は金融機関ごとに異なり、勤続年数だけで結果が決まるわけではありません。年収、雇用形態、勤務先、ほかの借入、購入物件などを含めて総合的に判断されます。
筆者も20代後半でメーカー間の異業種転職を経験し、その後、3,000万円台の住宅ローンを利用して住宅を購入しました。この記事では、転職後に申し込む際の確認事項と、実際に住宅ローンを組んでから感じた注意点を整理します。
この記事の要点
転職直後でも申込み自体は可能ですが、取扱いは金融機関ごとに異なります。審査中から融資実行前に転職する場合は必ず申込先へ伝え、現在の収入を確認できる資料を準備しましょう。最初から1行だけに決めず、条件の異なる金融機関を比較することも大切です。
転職後でも住宅ローンを組める可能性はある
「転職したら1年間は住宅ローンを組めない」と一律に決まっているわけではありません。必要な勤続年数や提出書類は、金融機関や住宅ローン商品によって異なります。
転職後の審査では、現在の年収と今後の収入見込み、雇用形態、試用期間、前職と現職の業種・職種、転職による年収の増減、ほかの借入、物件価格に対する借入希望額、過去の支払状況などを確認される可能性があります。
年収が上がった転職や、同じ職種で専門性を活かした転職であっても、必ず審査に通るとは限りません。反対に、勤続期間が短いという一点だけで、すべての金融機関が同じ判断をするわけでもありません。
審査中・融資実行前の転職は必ず金融機関へ伝える
特に注意したいのが、事前審査や本審査を申し込んだ後、融資が実行される前に転職するケースです。住宅ローンの審査は、申込時の勤務先や収入を前提に行われます。その途中で勤務先や収入条件が変われば、追加確認や再審査が必要になる可能性があります。
転職予定を伏せたまま手続きを進めるのではなく、転職が決まった時点で金融機関へ伝え、必要な対応を確認しましょう。住宅の売買契約や引渡し日が決まっている場合は、住宅会社や不動産会社にも早めに共有します。
転職後の申込みで準備したい書類
一般的な本人確認書類や物件資料に加えて、転職後は、雇用契約書や労働条件通知書、現在の給与明細、見込年収が分かる書類、前職の源泉徴収票、公的な収入証明書などを求められることがあります。
住宅金融支援機構の【フラット35】でも、原則として前年の収入を証明する公的書類などが案内されています。必要書類は金融機関によって異なるため、申込み前に「転職した時期」と「現在用意できる収入資料」を伝えて確認するのが確実です。
住宅ローン比較で確認したい7項目
1.適用金利:変動金利か固定金利か、表示されている最低金利を自分も利用できるか確認します。
2.事務手数料と保証料:金利が低くても、借入時の費用を含めると総負担が大きくなる場合があります。
3.団体信用生命保険:保障内容、加入条件、上乗せ金利を比べます。
4.繰上返済:手数料、最低返済額、オンラインで手続きできるかを確認します。
5.転職後の取扱い:必要な勤続期間と、提出する収入資料を確認します。
6.毎月の返済額:借入可能額ではなく、生活を続けながら無理なく返せる金額で考えます。
7.融資実行までの期間:住宅の引渡し日に間に合うか確認します。
住宅ローンの候補を比較する
同じ年収・物件でも、金融機関によって申込条件や提示内容が異なる可能性があります。金利だけでなく、諸費用や団信も含めて複数の候補を比較しましょう。
住宅ローンの比較サービスは候補を検討するためのものであり、審査通過や特定の条件を保証するものではありません。
筆者が転職後の住宅ローンで感じたこと
筆者は20代後半に異業種へ転職し、その後、3,000万円台の住宅ローンを利用しました。実際に感じたのは、「借りられる上限」と「子育てをしながら無理なく返せる金額」は別だということです。
住宅購入後には、毎月の返済以外にも固定資産税、修繕、火災・地震保険、家具・家電などの費用がかかります。育休や時短勤務による収入変化、子どもの教育費、自動車の購入、金利上昇も考え、ボーナスを前提にしなくても返せるか、手元の預貯金を残せるかを確認しました。
転職前と転職後、どちらで申し込むべき?
住宅の購入時期を自由に選べるなら、転職と住宅購入を同時に進めず、先にどちらを優先するか整理した方が手続きは進めやすくなります。
ただし、「住宅ローンのために希望する転職を諦める」「転職したから住宅購入を何年も諦める」と一律に考える必要はありません。購入予定時期、転職時期、収入の変化、利用できる金融機関を並べ、個別に確認することが大切です。
すでに審査中なら、自己判断で転職時期を決めず、申込先へ相談しましょう。転職後なら、現在の条件で申込み可能な金融機関を確認します。
よくある質問
転職後すぐだと必ず審査に落ちますか?
必ず落ちるとは限りません。勤続期間の条件や審査方法は金融機関・商品によって異なります。転職時期、年収、雇用形態、前職との関連性、ほかの借入などを正確に伝えて確認してください。
転職予定を金融機関へ伝える必要はありますか?
審査中から融資実行前に勤務先や収入条件が変わる場合は、速やかに金融機関へ連絡します。申込時の情報と実態が異なる状態のまま進めないことが大切です。
比較サービスを使えば審査に通りますか?
比較サービスは候補や条件を検討するためのもので、審査通過を保証するものではありません。表示された情報を参考に、最終的な条件と必要書類を各金融機関へ確認してください。
まとめ
転職後でも住宅ローンを組める可能性はありますが、勤続年数や必要書類の取扱いは金融機関によって異なります。まずは現在の年収、転職時期、雇用条件、ほかの借入、無理なく返せる金額を整理しましょう。
そのうえで複数の金融機関を比較し、申込先へ転職歴を正確に伝えることが重要です。住宅購入と転職を同時に進めている場合は、審査・契約・融資実行のどの段階にいるかを確認し、転職前に金融機関へ相談してください。
本記事は筆者の体験と公開情報をもとにした一般的な解説です。審査結果や適用条件を保証するものではありません。最新の条件は各金融機関へご確認ください。アイキャッチ写真:Vitaly Gariev / Unsplash

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